鈴ヶ森 苦行の春分峠へ

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    2019年2月23日朝6時北本町に集合、今回もお宮さんに宗ちゃんそして私のトリオである。自転車を車に積み高知ICから高速道路へ乗って中土佐ICで降りる。一般道で久礼坂を登り県道41号線に辿って中土佐町役場大野見庁舎へ7時5分に着く。今回の計画は大野見庁舎から島ノ川川(シマノカワガワ)にそって遡り北の鈴ヶ森峠登山口から鈴ヶ森に登頂して南の春分峠へ下り、松葉川温泉で一泊して翌24日に大野見庁舎へ帰るものである。一周約53Km高差は往復とも710m程度で、さほどの行程ではない。

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    準備完了、7時15分に高度295mの庁舎を出発した。峠まで高差は約475mである。

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    大野見島ノ川を過ぎると道は徐々に傾斜を増してくる。

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    私道分岐からは路面も悪く押して上がる回数が多くなる。

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    650mあたりから見える稜線は鈴ヶ森峠から山頂に向かう尾根か、頂上から高山へ延びる尾根かと思ったが、後で調べると頂上から北東にのびる枝尾根だった。

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    予定どうり10時丁度に770mの鈴ヶ森峠に着く。

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    担ぐ装備を整えて10時15分に登山道に入った。

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    峠から約280mの登りに予定より時間がかかり、35分遅れの11時35分に1054mの頂上に着いた。

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    鈴ヶ森頂上はあまり眺めは良くない。南は松葉川温泉から806mの枝折山あたりが望め、北は木立の中から天狗荘天狗高原が見える程度で、東と西はほとんど見えない。

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    頂上で昼食休憩を30分とる。

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    12時5分、「後は下るだけ!」とたかをくくって予定より1時間遅れで頂上を後にした。

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    12時7分頂上からすぐの分岐に出る。道案内に「杖立三角点へ・鈴ヶ森コース」と書かれていた。右の尾根は枝尾根ですぐ近くに杖立三角点があるのだろう、と判断して躊躇なく沢山のテープがある左の尾根へと進んだ。

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    次々と出てくるピンクと黄色のテープを追いかけて下って行く。途中から急傾斜となりいささかおかしいと思いつつ15分から20分下った所でテープがなくなった。左右を探すが踏み跡も見当たらない。これは間違ったようだとGPSを出して位置を確認すると889mへ向かう南の尾根へ入り込んでいた。自転車を担ぎ100m程を登り返して12時55分に元の分岐へ帰ってきた。分岐で地図を出して杖立三角点をさがすがどこだかわからない。その時丁度トレランの方が頂上から降りてこられた。「何処からおいでたのですか?」と聞くと「春分峠からピストンです。」とのことで、杖立三角点へ向かう尾根から下山する言う。その道の入り口には横木があり”行ってはダメマーク”があり行けないのではと思ったがどうやらその横木は自然倒木のようだ。地図を合わすと杖立三角点へ行く尾根が正しい事が確認できた。ただ杖立三角点がどこなのか地図では確認できてなかった。ここで約2時間の遅れとなってしまう。

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    13時18分、1002mピークで西から南へと屈折する。ピークには春分峠と書かれている道案内があった。「最初の看板、杖立三角点などと書かずに春分峠と書いといてよ。」とぼやく。1002mから200m下って30m登り更に30m上がると境界線の礎石がある分岐に14時22分に着いた。アップダウンがつらいがほぼ順調である。

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    分岐から南へ続く急な尾根を重い自転車に振り回され懸命に下る。約700mまで下り805mへ登り直しさらに登り850mへ上がりまた下って40m登り856mへ出る。このころには体力も限界近くなり自転車を放り投げたくなる。アカガシやヒメシャラの巨木を探し眺め楽しむことなど別世界の事、まるで苦行に嘆くできそこないの修験者のごとくである。できそこないは「いつまで続くのだー!」「又登りかー!」とボヤキにぼやく。

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    856mからさらに110m下り最後の100mの登りは一歩一歩が本当につらくトボトボと泣きなきが這い上がった。16時20分やっと832mのピークに着く、ここが杖立三角点!だった。なんだ!これは!地図で確認すると832mの春分峠すぐ上のピークである。

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    杖立三角点から25分も下ると春分峠に着いた。16時45分着である。頂上から4時間40分、間違い尾根でかかった時間45分を差し引くとリーダーの計画どおり4時間ぴったりで下ってきた。しかし思いの外、遠く長い尾根だった。言っても仕方ないがこれは自転車の重さと登り降りの多い尾根のせいである。もう二度と3時間を超える自転車担ぎは嫌だ!「分際を知れ!分をわきまえろ!」と誰かが頭の中で叫んでいる。

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    16時55分春分峠を332号線を松葉川温泉へと下る。

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    手首に堪える砂利道を20分程下り後はアスファルトの道を快適なダウンヒルで15時35分松葉川温泉に着いた。チェックインをしてまずは缶ビールその後一風呂浴びて夕食、生ビールに冷酒を頼み和会席に堪能していると、目の前のリーダーの食が進まない。「どうしたの?」と聞くと疲れすぎて食欲がないとの事だ。山ではがんばって登りも平気の様子だったのだが。

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    24日朝、朝食を全てたいらげご飯も茶碗三杯を完食してすっかり元気になったリーダーと温泉前で記念写真を撮り、尋ねて来てくれた地元のN平君の案内でバイカオウレンを見学しようと9時20分松葉川温泉を出発した。

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    日野地川にそって下って行く、梅ももうすぐ満開だ。

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    シコクバイカオウレンの群生地に到着。

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    渡川と合流して米奥へ戻るN平君と別れ、四万十川を遡り19号線を大野見庁舎へ向かう。

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    10時35分大野見に着き橋の上から鈴ヶ森を探すがここからは見えないようだ。行きの島ノ川川に沿って登って行く道でも頂上は見えなかったし帰りの稜線からも木が邪魔で頂は見えなかった。松葉川温泉が頂上から見えたので温泉から探してみたが、これだと確信できる山は見つからなかった。なかなか姿をあらわさない鈴ヶ森、天狗高原からの写真はあるのだが、地元周辺からの写真は見たことが無い。

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    自転車を積み11時に役場駐車場を後にした。

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    今回の自転車登山はかなり厳しかった。私のペースは自転車を担いだり押したりの登山では300mの高度差を稼ぐに1時間30分かかる。1時間当たりでは高差200mで年々遅くなっている。

    くたびれて帰る車内では、次の送別チャリツアーの計画が話し合われた。懲りない面々である。しかし振り返れば辛かった尾根も眺めの悪い頂上も、間違って下った尾根の苦しい登り返しも全て楽しい思い出に変化しはじめている。

    「終わりよければすべて良し!」なのだが、「分際をわきまえよ!」と天が言っている。


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